「会議の運営がうまくいかない…」。そんな悩みをお持ちの方に読んでいただきたいのが谷益美先生のご著書、「まとまる! 決まる! 動き出す! ホワイトボード仕事術」です。

ファシリテーションにはホワイトボードを使え

谷先生といえば、「リーダーのための! ファシリテーションスキル」と言うご著書もお持ちの、まさにファシリテーションのプロ。そのプロフェッショナルなテクニックを余すところなく教えてくれるのが本書です。

そして、とくに重視されているのが、ホワイトボード。曰く、

上手に使えば、たったこれだけで、議論の質やスピードを高められる、優れもののビジネスツールなのです。

と。その上で、

  1. すぐに使える
  2. みんなで書ける
  3. 論点が整理できる
  4. 論点を確認できる
  5. 発言のための刺激になる
  6. 意見と個人を切り離せる
  7. 場をコントロールできる

というホワイトボードの持つ7つのメリットを紹介されています(14p~)。

T型、I型チャートがファシリテーションの基本

具体的なホワイトボードの使い方としてまず提唱されているのが、「Tチャート」。ホワイトボード上にTの字を描いて、横棒の上には話したい議題をバーンと書き出します。これによって、会議の参加者が論点を意識して、外れた意見が出にくくなるのでしょう。

そして、縦棒の右と左には、

  • ネガティブ・ポジティブ
  • できている・できていない
  • メリット・デメリット

などの対立軸で意見を整理して書いていくのだそうです。

会議の参加者から意見が出たとき、「それは右と左のどちらに書くべきか?」と問いかけることによって、議論の整理はもちろんですが、参加者自身の頭の中もクリアになっていくのでしょう。

なお、Tチャートの発展系として「Iチャート」も紹介されています。これは、Tチャートの下の方に横棒を引っ張ったもので、横長になったアルファベットのIから名付けられたものです。

このIチャートはとくに問題解決に有効で、左側に「現状」、右側に「理想」、そして下には「これからの行動」を書いていくというものです。この背後にあるのは、GROWモデルという問題解決のフレームワーク。

  • Goal (どこを目指すのか)
  • Reality (現状はどうか)
  • Option (ゴールに向けてのアクション)
  • Will (みんなの意志はどうか)

の頭文字をとったもので、

日々の「業務改善」からチーム全体の大きな「目標設定」まで、実現への道筋が自ずと見えてきます。

とのことです。

業務改善会議のファシリテーション例

本書の親切なところは、具体的な技法の使い方も紹介されているところです。150pから始まる「実録!業務改善会議~アイデア出し・まとめ・振り返りまで」の章で、

  1. 会議のテーマを確認「タイトルを書く」
  2. 時間・時期の確認「終了時刻や期日を書く」
  3. 課題意識共有(事前記入シートあり)
  4. ゴール設定「今日は何が決まればいいの?」
  5. 目的共有「そもそもそれは何のため?」
  6. アイデア出し「付箋紙に書く」
  7. アイデアまとめ「親和図でまとめる」
  8. 全体共有「各グループプレゼンテーション」
  9. 全体共有「共通キーワード抽出」
  10. 全体共有「付箋紙まとめと共有」
  11. 全体共有「抽象化・具体化で内容整理」
  12. まとめ「決定事項確認」
  13. 次回に向けて「予定と具体的アクション確認」

と言うダンドリが写真入りで解説されています。ホワイトボードの途中経過も写真で確認できるので、この手のことになれない初心者の方でもイメージをつけやすいのではないでしょうか。


画像はアマゾンさんからお借りしました。