セミナー集客、ビフォーアフターの壁

セミナー集客においてブランドが重要なのは言うまでもないでしょう。というのは、セミナーというのは特殊な商材なんですよね。「ビフォーアフターの壁」といっていますが、なにせ形がないものだけに、セミナー受講前のお客様にこの商材を買ったところ(つまりセミナーに参加したところ)のイメージをしていただきにくいので。たとえばこれが物販だったら、その品物を使っている写真を載せることができるじゃないですか。あるいはサプリメントだって「この○○を飲んだら10Kgやせた!」みたいな使用前/使用後の写真を使っているところをよく見ます。

ところがセミナーの場合は、「このセミナーに参加したらこうなりますよ!」というのをリアリティを持ってお客様に感じてもらうのが難しいのです。たとえて言えば、お酒を飲んだことがない人に、「お酒を飲んだらこんな楽しいよ!」と説明しているようなものでしょうか。聞いている方は「ふ~ん」と思うものの、今ひとつピンと来ませんよね。

なので、ブランド。「なんだかよくわからないけどすごそう」、「この講師の提供するセミナーなら信頼できる」、そんな雰囲気を醸し出すブランドの構築は必須です。実際、大学受験で進学先を選ぶときもブランドでほぼ選ばれているんじゃないでしょうか。「○○先生がいるからあの大学」とかじゃなくて、「有名だから」、「品が良さそうだから」で選ばれるケースが多いと思います。

商標(をとる過程)でブランドを構築する

そんなブランドの構築に「商標」を使おうというのが植村先生の著書、「商標ブランディング―口コミになりやすいネーミングを登録商標でおさえよ!」の提言です。商標というのは、たとえば「コカ・コーラ」。これ、米国で商標登録されているそうで、第三者がコカ・コーラという名前の商品は発売できないように法律で守られているそうです。さらにオドロキなのは、あのコカコーラの瓶まで商標登録されているんですって。たしかにあの特有の形はすぐコカ・コーラを連想させますから、他人がマネしたくなりますからね。それに対する事前の法的措置として、商標登録は有効なんでしょう。

ただ、何でもかんでも商標登録すればいいわけじゃなくて、ある程度おカネもかかるものなので考えに考えたネーミングで商標登録しようというのが本書ポイントです。て言うか、考えに考える過程で、色々見えてくるのが商標の本当の価値なのかな、と思いました。たとえば上村先生いわく、

本来ブランドとは新規顧客向けの窓口は狭く、既存顧客を最優先に位置づけている

と。

これ、言われてみればその通りなんですが、ブランド構築の過程では見逃していました、完全に。ついつい、どうやって告知しようか、どうやってブランドを広めようか、なんて発想になりがちですが、既存のお客様に丁寧に対応することでブランドが生まれるんだというのは目からウロコ。というか、本当はブランドは後付なのかもしれません。既存のお客様に対して、期待をはるかに上回るサービスを提供することによって生まれた感情がブランドとなって世に浸透する、みたいな。

セミナー集客とは、顧客を選ぶこと

同様に、

ブランドを構築しようと考えるなら、その機能を前面に打ち出すのではなく、過去、現在、未来をつなぐストーリーを前面に打ち出すことをお勧めする

との一文もハッと気づかされました。もちろん商標にはネーミングやコカ・コーラのような形もありますが、それ以上にストーリーが重要なんですよね。先ほどのお客様へのサービスとあわせて考えるならば、

ブランドとは、今どこにいて、お客様と一緒にどんな未来を目指すかのミッションステートメント<使命>である

と考えても良いんじゃないかな。

だって、考えてみてください。そんなブランドができたら、もちろん集客しやすくなるのは当然として、「こちらがサービスしたいお客様が来てくれる」わけじゃないですか。言葉を換えるならば、ブランドによって表された未来に共感してくれるお客様、と言ってもいいですけれど。前回の勝間先生のご著書でも、「顧客はこちらから、高い価格をつけてくれそうな相手を積極的に選定していくこと」という一文があって、これは価格による顧客の選定の重要性を示しています。ブランドというのは、価値観による顧客の選定と考えると、セミナー集客においての重要性がより理解できると思います。

最初はプロに任せた方が良い商標登録

なお、本書で上村先生は商標登録はプロ(特許事務所)に任せることをお勧めしています。実際に、プレゼンテーション・カレッジの運営会社シンメトリー・ジャパンでも、最初の商標登録は外部の信頼できる先生にお願いしました。この分野もけっこうややこしいんですよ。プロにとっては当たり前のことが、シロートには?と言う感じで、たとえば商標出願の時に「収入印紙」を張ってしまうなんて言う失敗も経験しました。本当は「特許印紙」なんですが、そんなものが存在するなんて事すら知りませんからね、普通は。

でも、もし自分でやりたい方ならば、本書とともに山田先生の商標の裏技・表技―商標登録した。それだけでは安心できない 商標・特許450件を越える実業家からの手引き書をチェックすることをお勧めします。こちらの本は、表紙を初めとして見栄えがアレですが、中身はすごく参考になります。「中間対応」と言っていますが、出がした商標が拒絶、つまり特許庁から「これは商標として認められないもんね」と言われた時の対応が詳しく載っていて参考になります。

以下、上村先生の本のポイントをまとめます。

●ブランドを維持するためには小さく産んでコツコツ育てることが肝要

●本来ブランドとは新規顧客向けの窓口は狭く、既存顧客を最優先に位置づけている

 ラーメン屋の常連には行列を回避できるカード

●商標ブランディングにおけるネーミングの3大条件

 イメージが広がるワード(単語)の選択

 バランスがよい組み合わせ(対極概念、反復、リズムや音感)

 コンセプトが明快で伝わる(図解できる)

●登録申請したネーミングに隣接するビジネスアイデアとネーミングを多く生み出す

●専門家にお願いして、すべての商標を登録申請する

●商標を登録申請する際の5つのポイント

 捨て金を覚悟する

 ドメイン、商品名、ロゴの3点セットで登録する

 申請するタイミングとネーミングアイデアの絞り込み

 申請する分野とかかる費用について

 あなたにピッタリの専門家を捜す方法

●ブランドを構築しようと考えるなら、その機能を前面に打ち出すのではなく、過去、現在、未来をつなぐストーリーを前面に打ち出すことをお勧めする

 ブランドができれば、企業側は苦労してメールアドレスを取得する必要が無くなる。ソーシャルメディアのコミュニティーを活用すればいいのだ

 

前ページ
勝間 和代著、勝間式 利益の方程式 ─商売は粉もの屋に学べ!─を読む
次ページ
井上 睦己著、誰でも成功するネーミング入門 著作権管理事業法を活用してらくらくネーミングを売る法を大公開!を読む
 
  ブランドを立ててセミナーに人を呼ぶページに戻る