セミナー集客では、もちろんお客様の「数」を集めることも大事ですが、ホントのところは「利益」まで考えなくてはいけません。せっかく人手もコストもかけてセミナーを集客するわけですから、「いろいろやったけど、赤字だった」ではあまりにももったいないですからね。

では、どうやってセミナーで利益を上げるのか、を考える時に参考になるのが勝間和代さんの著書、勝間式 利益の方程式 ─商売は粉もの屋に学べ!─です。

利益を上げる方程式を、

利益=(顧客あたり単価-顧客あたり獲得コスト-顧客あたり原価)×顧客数

とした上で、それぞれの要素に対して効果的な打ち手を考えながら本書は進んでいきます。ちなみに、セミナー集客の場合には会場費が固定費としてかかってきて、かつ原価が極めて小さいという特性を持っているので、若干読みかえる必要はあるかと思います。でも、それでも参考になる発見が一杯なのが本書の魅力。

セミナー集客はこちらから選べ

たとえば、顧客単価を上げるところでは、

顧客はこちらから、高い価格をつけてくれそうな相手を積極的に選定していくこと

と提言していますが、まさしくその通りだと膝を打つ想いです。というのは、セミナーの価格帯によって来てくれるお客様が変わってくるんですよね。無料セミナーには無料セミナー好きな人が、有料セミナーには「お金を掛けてでも学びたい」という人が。あまり深く考えないと、「無料セミナーで人を集めて有料セミナーに誘導する」というのは理屈に叶っているように見えますが、実際のところは無料セミナーに来る人は「無料」が好きなので、そうそううまくはいきません。

不幸への道まっしぐらの集客方法

そして、上記の提言のもう一つ素晴らしいところは、「こちらから選定していくこと」という考えです。というのは、セミナー集客をしていると、必然的にそのお客様に会うことになるわけじゃないですか。その時に、こちらが選んでいないお客様が集まると、セミナーそのものが苦痛になってしまうんですよね。それはお金だけとは限りません。たとえば、どれだけお金を払ってくれるお客様でも、依存心が強くて何でもかんでも「お願いしますよ」という人は、個人的にはつき合いたくはないな、と思ってしまいます。逆に、こちらから選んでいけば、自分が付き合いたいお客様が来てくれて、後は彼ら/彼女らと長期的な関係を築いていけばいいわけですから、よっぽど幸せなセミナー集客になります。

以下、ポイントを記載しましたので、ピンときた方はぜひ本書をチェックしてみてください。

セミナー集客における顧客単価の考え方

-原則
–顧客単価が利益に最も影響する
–顧客単価と潜在顧客数は相反する
–顧客が増えるほど、平均顧客単価は下がっていく
–顧客の持つニーズ、とくにコンプレックスの大きさに応じて顧客単価は決まる
–プライシングとは、顧客が気持ちよくお金を支払ってしまう仕組みのこと

-行動習慣10
–価格に迷ったときは高めに設定すること
–顧客に対する見せ方について、なるべく高い価格の競合製品だと思わせること
–顧客はこちらから、高い価格をつけてくれそうな相手を積極的に選定していくこと
–値下げ要求をする顧客は場合によっては、見切ること
–価格が高いこと=品質保証であるという信頼を顧客に持ってもらうこと
–松竹梅など複数の単価を設定して、顧客の懐に応じた価格付けを任せること
–コンプレックスの解消を中心に、相手の上質世界(選択理論でいう、根元的な欲求)の解決を目指すこと
–月額課金、小さくてもいいから継続的にお金が入るスキームにすること
–自動引き落としやバンドリング等、顧客が痛みを感じずに支払う方法をつくること
–値下げ要求をされたときには、分割払い等、支払い方法で問題解決にあたること

セミナー集客における顧客獲得コストの考え方

-基本知識
–商品力が顧客獲得コストを下げる
–顧客を積極的に選択することが顧客獲得コストを下げる
–顧客獲得コストはちょっとした工夫で大きく変わる
—「お金は銀行に預けるな」のタイトル変遷
—-金融リテラシー→お金が働けば、お金がふえる
—「効率が10倍アップする新・知的生産術」のデザイナーは石間淳氏
—-「1日30分を続けなさい」

–顧客の獲得も重要だが、ロイヤル顧客の獲得はもっと重要である
–口コミは究極の顧客獲得手段である

-行動習慣10
–競合商品との商品力を顧客の視点から比較する習慣をつけること
–どの部分の商品性が顧客に響くのか、明確な仮説をつくり、実行・検証すること
–無理な顧客獲得を行わず、自分から顧客を選定するぐらいの気概を持つこと
–周囲によい影響をもたらす良質な顧客の像を、チームで共有すること
–常に、顧客獲得コストを計算する習慣をつけること
–複数チャネル、複数メッセージによる顧客獲得を併用すること
–顧客を積極的にランク付けして、ランクに応じたリソース配分をすること
–顧客をファンとして育てる仕組みをつくること
–常にブログ、SNS、掲示板等で自社商品を検索して評判をチェックすること
–顧客と最前線で接している販売員や営業員の声を共有する仕組みをつくること

セミナー集客における顧客原価の考え方

-基本知識
–原価には業種ごとの相場がある
—中小企業の財務指標 http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/zaimu_sihyou/index.html?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter
–過剰な品質、過剰な設備投資、過剰な人員投資が原価高を招く
–価格以外の軸を原価に持ち込むと原価引き下げのアイデアが生まれる
—たとえば、時間
–仕入れ先を工夫すると原価は下がる
–結局は地道なベンチマークが決め手になる

-行動習慣10
–原価引き下げは一律に行わず、必要なところにはよりコストをかけるくらいの気持ちを持つこと
–コストの安い競合他社がいた場合には、その理由を常に追求すること
–過剰なものは過小なものより始末が悪いと考え、とくに過剰品質を極力避けること
–なるべく変動費にできないか、固定費の増大を防ぐ手段を考えること
–カロリーや所要時間、納期等、価格以外の軸でコストを考え直してみること
–顧客の需要をコントロールすることで、原価が引き下げられないか考えること
–仕入れ先の開拓アイデアは、販売先の開拓と同等以上に熱心かつ創造的に行うこと
–なるべく複数の仕入れ先を開拓し、組み合わせることで特定仕入れ先への依存度を下げること
–常にコストのデータを集め続けること。専任担当者を置くくらいの気概が必要
–自社の過去データや競合他社との比較を行うことで、コスト引き下げへのモチベーションを保ち続けること

セミナー集客における顧客数の考え方

-基本知識
–何はなくとも「S字カーブ」の法則は理解する
—エベレット・ロジャーズ「イノベーションの普及」
—16%普及率の法則
—多くの企業はオピニオンリーダーの意見を聞きすぎてマニアックな製品を作ってしまう
–顧客セグメンテーションの基本はやはり年齢・性別・所得にある
–潜在顧客数の規模は事前にほぼ把握可能である
—書籍のマーケットサイズ
—-1億人x読書率90%xヘビーユーザー率10%xビジネス書購入率20%=180万人
—-出所:エルゴ・ブレインズ「書籍についての調査」
–団塊世代、団塊ジュニア世代が重要である
–客寄せビジネスと受け皿ビジネスの両方を用意する

-行動習慣10
–自社の商品・サービスだけでなく、他社の商品・サービスや、市販されている一般的な商品・サービスについても、S字カーブのどのステージか考えるクセをつけること
–今いる顧客のステージをとらえ、何がKBFになっているか、即座に言えるようにすること
–年齢ごとの人口分布をそらで言えるようにすること
–各世代がどのような価値観を持っているのか、皮膚感覚で確認すること
–自社の過去、競合他社の過去および現在の中で、類似した商品・サービスの最大販売量を確認すること
–日本および主要各国、世界の人口について、代替の数と今後の推移を把握すること
–団塊世代、団塊ジュニア世代のいずれかは常に、販売ターゲットとして意識すること
–過去の自社ヒット商品について、団塊世代、団塊ジュニア世代の購買がどのくらいあったのか、把握すること
–顧客にとっての購買のしきいの低い客寄せビジネスを常に複数用意をしておくこと
–客寄せビジネスから受け皿ビジネスへの動線を設計しておくこと

セミナー集客における損益分岐点分析の問題点

-変動費と固定費の区分は、時期や立場によってあいまいである
-運用上のルールを厳格に決めないと、社内でズルをしようとする人が出てくる
-管理対象の費目が多すぎて、直感的に理解できない

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