こんにちは。プレゼンテーション・カレッジ代表の木田知廣です。
私はマサチューセッツ大学のMBA講座で教鞭をとっていることもあって、欧米人のプレゼンテーションを目にする機会が多いのですが、彼らは本当にプレゼンがうまいといつも感心します。
どうやったらそのようになれるのか、研究と分析を積み重ねた結果、「日本人がプレゼン上手になるための方法論」が分かってきました。
ご興味がある方は、他社事例などさらに詳しい情報もご紹介させていただきますので、問い合わせフォームからご連絡下さい。
プレゼンテーション・カレッジ代表
「お試し」いただけるプレゼンテーション研修
私たちのプレゼンテーション研修を「お試し」として見ていただく場が、プレゼンテーション入門セミナーです。2時間で、研修の進め方から参加者へのフィードバックなど一通りの内容を体験できますので、導入を検討されている方はご参加下さい。下記のお問い合せフォームよりご連絡いただけば、具体的な日程をご連絡させていただきます。
研修の世界ではともすると、「導入しないと分からない」となりがちですが、事前にチェックいただけるので安心です。もちろん、実際の研修では、御社のニーズと予算に合わせて内容をカスタマイズいたします。
プレゼンテーション研修の講座
ロジカル・プレゼンテーション研修 |
モノゴトを分かりやすく伝えるための方法論です。 受講対象となるのは、プレゼンの際に話があっちに行ったりこっちに行ったりで、聞き手を迷わせてしまう人。全体としてまとまりを持たせて、「要するにこういうこと」を伝えるテクニックを身につけます。 |
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ストーリー・プレゼンテーション研修 |
聞き手の気持ちをつかむ話し方の方法論です。 プレゼンテーションの目的は、究極的には聞き手に期待した行動をとってもらうことです。プレゼン初心者は話す内容にばかり注意がいきがちですが、聞き手の頭の中を想像しながら話す訓練を積みます。 |
プレゼン資料作成研修 |
プレゼンの際に投影するスライドや配付する資料を作成する方法論です。 たとえどれだけ流ちょうに話そうと、投影しているスライドがグチャグチャでは説得力も台無しです。「四次元スライド」や「放浪スライド」などの悪い例を踏まえて、聞き手を動かすスライドを作成できるようになります。 |
「ストーリーで語る」プレゼンテーション研修サンプル教材
お客様への提案や社内で企画を通す時…プレゼンテーションがあらゆるビジネスパーソンに求められるスキルであるのはご存じの通りですが、なにをもってその良し悪しが決まるでしょうか? これを実現するために、聞き手の興味を惹きつける方法論を身につけるのが、この研修の目的です。カリキュラムだけみると、「アイコンタクトなんて知ってるよ…」と思いがちですが、その背後にある「聞き手の意識のコントロール」が分かると、これまでとはまったく異なるプレゼンテーションができるようになります。 |
プレゼンテーション研修の特徴
「プレゼンテーション」と一口に言っても大きくは4つの分野に分かれるというのが私たちのプレゼンテーション研修の特徴です。
実際に人前に立ったときの立ち居振る舞いを指す狭義の「プレゼンテーション」以外にも、投影用スライドやプレゼン資料作りなどの「ドキュメンテーション」、何をどういう順番でいうかを決めるプレゼンの骨組みともいうべき「コンテンツ」、そして聞き手に伝える工夫の「ファシリテーション」。それぞれの分野で必要なスキルが身に付きます。
もちろん、この四つの要素はバラバラに存在するものではありません。ファシリテーションで聞き手の分析ができているからこそ、相手にあわせたコンテンツを設計できる…、コンテンツがしっかり練り込まれているから、何を強調すればよいか分かってメリハリが利いてくる…。このように四つの要素がかみ合ったとき、これまでとは明らかに「レベルが違う」プレゼンテーションができるのです。
と、ここまで聞くと「難しそう…」という感想を持ってしまうかもしれませんが、実際のところは、プレゼンテーションの要素が4つに分かれたことで、むしろ取り組みやすくなるというのが実感です。なぜならば、プレゼンの四つの要素の中から個人個人が得意な分野から始めることができるから。
仮に、人前に出ると緊張してしまって…と言う人ならば、いきなり立ち居振る舞いの話をするよりも、「まずはしっかりコンテンツを練り込みましょう。それさえ決まれば、たとえ立ち居振る舞いは多少たどたどしくても十分『伝わり』ます」とアドバイスします。逆に、立ち居振る舞いがシッカリできている人には、「プレゼンで強調したポイントをさらに上手に伝えるためには、どのような工夫が必要でしょう?」とファシリテーションに誘導します。
このようなアプローチによって、誰でもプレゼン上手になることは、私たちプレゼンテーション・カレッジのこれまでの受講者が立証してくれています。
プレゼンテーション研修の進め方
- プレゼンテーションの「理論」を学ぶ
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「理論」と聞くと意外かもしれませんが、実はプレゼンテーションには「基本となるやり方」があります。これを無視していくら我流でやったとしても、いつまでたってもプレゼンは上達しません。実際、何度場数を踏んでビデオで撮って見直しても、うまくいかないという体験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
まずは理論、それを実際にできるようになるためのエクササイズというのが私たちのプレゼンテーション研修の進め方です。
- 少人数のエクササイズ
- エクササイズといっても、いきなり大人数の前に出て話すことはお勧めしていません。緊張して頭が真っ白で、理論で学んだことが1つも実践できないのでは、かえって自信をなくしてしまいます。
むしろ、少人数のリラックスできる雰囲気の中で何度も実践し、お互いのフィードバックの中から上達のコツを見つけていくのが上達の近道です。
- 人前で話して「場数」を踏む
- ここまで来たら、ようやく人前で話し始めます。やはり、プレゼンテーションは本番の場では大勢の人前で話すものですから、場数もそれなりに必要です。
この際には、緊張防止の方法論を学んで、少人数でのエクササイズで身についたことを実際にできるようになることを目指します。
誌上プレゼンテーション研修
ここでは、「ロジカルプレゼンテーション研修」を題材に、実際の研修がどのように進んでいくかを紹介していきます。
プレゼンテーション研修のスタートはロジカルな話し方の基本
プレゼンテーション研修の最初にやることは、「ロジカルな話し方」の基本を身につけることです。と言って、いきなり小難しい話をしようということではありません。自分のいいたいこと、すなわち主張を、根拠の裏付けを持って話すというのが基本的なスタイルです。さらに、一つの主張に対して一つの根拠ではなく、複数の根拠を並べることを意識します。
形にこだわるならば、「3点話法」を採り入れる場合もあり、すなわち、「私の主張は○○です。なぜならば…」に引き続いて根拠を、「第1に、第2に、第3に」と3点並べる話法です。これだけで聞き手にとっては分かりやすいものですし、話し手としても、「3点の根拠を考えなければならない」との意識づけにつながります。
もちろん、最初は根拠を3点探すのに苦労する場合もあります。そのせいで、3つある根拠がバラバラに見えてしまって、聞き手からは「本当にそうかなあ?」と疑問を持たれることもないとは言えません。ただ、この「形からはいる」というアプローチは意外と実用的です。なぜならば、プレゼンテーション研修の目的は、ビジネスの現場に戻ったときに行動が変わることだから。研修中にうまくできたか、できなかった以上に、現場に戻ったとき「使える」ようになるには、形からはいるのも「アリ」なのです。
実際にプレゼンして身につける
ロジカルな話し方の基本が分かったら、次はプレゼンテーションに取り組みます。ただ、ここで工夫をするならば、一つの題材に対して「賛成」、「反対」、両方の側面からプレゼンテーションを組み立てること。たとえば、「わが社も公用語を英語にすべきである」というテーマがあるとしましょう。これに対して、賛成の立場からは、「第1に人材面で見ても世界中から優秀な人材を引きつけることができる、第2にビジネス面から見ても世界中からお客様を見つけることができてビジネスの発展につながる、第3に資金調達面からも世界中の投資家からお金を集めることができる」と、3点話法で根拠を述べることになります。
もちろん、これはこれでプレゼンテーションが身に付くことになるのですが、さらに逆の立場から見ると、「身に付き度合」が高まります。すなわち、「わが社は英語を公用語にするべきではない」という立場から、根拠を述べることになります。たとえば、「第1に実現可能性の面から無理である。つまり、わが社の人材がそう易々と英語を話せるようにはならない。第2に競争力の面からも無駄である。つまり、社内公用語を英語にしたからと言って英語圏の会社と同じ条件になるだけであって、優秀な人材も顧客も投資家も、それだけで引きつけることはできない。第3にコスト面からも不可能である。日本のお客様がいる中、日本語の文書も残す必要があり、二つの言語による書類作成が大きな無駄を生む」のような話し方になります。この双方を研修中にプレゼンテーションすることにより、様々な根拠の立て方があることが身に付くのです。
プレゼンテーション研修でディベートを行う際は要注意
ここまでくるとカンの言い方はお気づきかもしれませんが、実はこのプレゼンテーションのやり方はディベートに近いものがあります。実際、私たちがお客様にプレゼンテーション研修を提供する場合、ディベートを題材として使うこともあります。ただし、その場合はある程度プレゼンテーションの基礎ができている人が受個社として参加している場合に限ります。
というのは、ディベートというのは、単なるプレゼンテーションだけでなく質疑応答を交えるので、より難易度が高いのです。反対の立場の人から投げかけられる厳しい質問にパッと答えるというのはスキルアップに役立ちますが、坂者の方の熟練度によっては、かえってプレゼンテーションの技術を習得するのに妨げになる場合もあるのです。
フィードバックで研修参加者全体でスキルアップする
このディベートを研修に採り入れる、採り入れないとは別に、プレゼンテーション研修においては受講者同士のクオリティ高いフィードバックは不可欠です。「その根拠は説得力があるのか否か」、「中身はいいとしても、見せ方は本当にそれでいいのか」などの観点からお互いに厳しい指摘をしあうことで、プレゼンテーション研修の参加者全体でスキルアップを図っていくのが理想的な姿です。
ただ、この「クオリティ高いフィードバック」というのは、慣れていない人には意外なほど難しいもの。そこで、プレゼンテーション研修の初期段階で、「上手なフィードバックはどのようなものか」の解説を加える場合もあります。たとえば、「相手の意図」(何を狙ったか)と、自分がどう感じたかをセットでフィードバックすると言うことであったり、あるいは厳しい指摘を相手が受け入れやすいようにする言い回しを共有してから進むことになります。
もちろん見せ方も扱うプレゼンテーション研修
ここまではプレゼンテーションの「中身」が中心でしたが、同時に「見せ方」も研修中は学んでいただきます。どれだけ中身が素晴らしくても、そわそわと落ち着きない話し手では、説得力は半減です。堂々と自信を持った態度に見えるように、アイコンタクトとアイコントロール、メリハリの四原則、緊張防止の方法論などを身につけていただきます。
もちろん、そのような方法論は自分が緊張をしないためのものでもありますが、同時にその「場」をコントロールするためでもあります。私たちの言葉では「聞き手の意識のコントロール」となりますが、聞いている方に「個々で考えて欲しいことだけを考えてもらう」、逆に言えば、「余計なことを考えさせない」のが上手なプレゼンターであると私たちは考えます。このために、(良い意味での)テクニックを知っておくのは、プレゼンが上手になる近道です。
意外と難しいプレゼンの情報収集
プレゼンテーション研修を実際に行う場合には、上記までの説明でほぼ半日がかかる程度でしょうか。そして、後半は、根拠の「材料」となるものをモレなく集めることに取り組みます。というのは、根拠というのは思いついたものを適当に並べればいいわけではなく、あるテーマにまつわるものをすべて網羅して情報収集し、その中からとくに大事なものをピックアップして根拠とするのです。このプロセスがないと、「勝手なものを適当に並べただけ」のように聞こえてしまって、プレゼンテーションに説得力が出ません。
もしくは、ここで情報をモレなく収集すると、質疑応答に臨むのが楽になります。ご存じの通り、プレゼンテーションにおいては質疑応答は一番難しいパートの一つです。その最大の理由は、「想定外の質問」が来ることにあります。これを避けるためには、それこそ自分の主張と逆の立場から見て、「こんな観点もある、そんなポイントもある」と事前の準備が必要なのです。
プレゼンの「詰め込み症候群」を回避せよ
ただ、上述の情報収集はプレゼン準備の途中に過ぎません。ときどきいるのですが、集めた情報をすべてプレゼンテーションに盛り込んでしまって、結果として情報があふれてかえって言いたいいことが伝わらない人がいます。そうではなく、プレゼンにおいては収集した情報を絞り込むことが必要になります。とくに、技術的な仕事に就いている方は、この「情報を詰め込みすぎ」になる傾向がありますので、要注意。まずは言いたいことを決めて、情報を収集する。収集した情報の中から大事なものを根拠としてプレゼンテーションを組み立てる。一度でき上がったプレゼンテーションが、本当に説得力があるか検証する。検証した結果、説得力が今イチだったら再度情報収集をする…このような、いわばPDCAの繰り返しが、より良いプレゼンテーションを生み出す秘訣です。
総合演習でトータルに学びを深める
プレゼンテーション研修の最後は、総まとめ的に、学んだことを使ってプレゼンテーションを行います。しかも、この際には、聞き手役になる受講者の方からの質問も交えると、より実際のプレゼンの場に近い形になり、学びが大きくなります。ただ、研修する会社の雰囲気によっては、なかなか質問が出なかったり、仮に出たとしても曖昧な質問に終始してしまうこともあります。そのような場合、最初の研修の構成で、「こういう質問をするといい」という、いわば「仕込み」をしてから臨むことにより、プレゼンター役の受講者のスキルアップにつながります。