講師として登壇する時に、難しいところ言わば鬼門とでも言うべきが質疑応答です。これをうまくやるコツをこの動画では紹介いたします。

講師の「鬼門」質疑応答のコツ

質疑応答は特に講義の中でも難しいパートです。ただ、それを上手に行うコツがあって、それがARSA(アーサー)法と呼んでいます。英単語の頭文字を取ったもので、これがもう決まり切ったテンプレート的なやり方ということになります。

 Acknowledge(アクノリッジ)感謝して
 Repeat(リピート)質問を繰り返して
 Spread(スプレッド)話を全体に拡げてから 
 Answer(アンサー)答える

ARSA法の例

実際にこのARSA(アーサー)で試してみたいと思います。例えば講義中にご質問をいただとします。Acknowledge(アクノリッジ)「ご質問ありがとうございます」。その上で、Repea(リピート)「ズームで講師をするときに気をつけることですよね」と質問の内容を繰り返します。Spread(スプレッド)「皆様はどう考えですか?何か心がけいらっしゃることはありますか?」と話を広げます。その上で、Answer(アンサー)「私は一番大事なのは、スポットライトこれを使うことだと思います。」最後に回答です。こんなやり方になります。当たり前といえば当たり前のやり方と思えるんですけれども、実はコツがあります。もしくは本当の意味合いがあります。

ARSA法(Repeat)の本当の意味合い

まずはこちら、Repeatリピートの意味合いです。何故繰り返すか?リピートするか?というのは、一つには自分(講師)が考える時間を取るわけですね。質問いただきました。パッと答える前にえっと…という風に考える時間を取るために繰り返す癖をつけましょう。同時に、他の参加者の方に質問を理解してほしい。質疑応答って1対1になりがちです。質問いただきました。頂いたあなたに返してるんですよ。でも、それだと他の方にとっては無駄な時間にになってしまうかもしれない。だとしたら、他の参加者の方にも質問を理解いただいて役立っていただきたい。その時に、講師の口から改めて質問を言うことによって、他の参加者の方も質問を理解しやすくなりますので、繰り返しリピートが必要ということになります。加えて、こちらに本当の意味って書いてありますけれども、もうちょっと実はリピート(繰り返し)は深い意味があります。3つありますが、

1.質問を受け止めた。

講師の私はあなたの質問をもちゃんと受け止めたよってことを示す。時には関係ない質問、この場とはちょっと違う質問があったとしたら排除ですね。「ご質問いただきましてありがとうございます。」「ただ、今回のセミナーのテーマとはちょっと異なりますので、それはまた別の機会にお答えさせていただけますでしょうか?」これが排除するということになります。ところが一度受け止めずに排除しちゃうと、その後質問が出にくくなります。「それはもう今回のテーマと違うんで…」と言うのではなくて、繰り返すことによって受け止めましたよ。それから関係のない質問に対しては排除する。そうすると質問した方も、そんなに嫌な気持ちになりませんし、その後の質問も出にくくなるということがありません。ですので、受け止めたことを示すためにリピートが大事になってくるということです。

2.分からない質問への言い換え

加えて、分からない質問の言い換え。講師をやっている時に質問を頂いたはいいけれども質問の意図が分からない、何を言ってるか分からない時ってあるんですね。例えば、こんな感じです。「ええ、私はですね。講師をやっておりましてズームでもですね…講師をやるんですけれども…なかなか難しいものがありましてですね、その時にpowerpointの…」。質問の方が何を言いたいのか分からない時は繰り返すフリをしていい言い換えをするんです。「ということは、ズームで講師をする時のパワーポイントの作り方でよろしいですか?」そう、それによってスムーズな質疑応答になりますので、そんな時のためにも繰り返すといいです。もちろん、×バツて書いてありますけれども、答えられない質問から逃げる、言い逃れをするわけではありません。さあそしてもう一つ、

3.長い質問を遮る

これも時々いらっしゃいます。質問を頂くのはいいんですけれども、話が長い人、そう先ほどの例もそうだったんですが、相手の言葉を一部繰り返して、「あ、パワーポイントですね」みたいにしながら質問を遮って、こちらが回答する様に誘導します。そうしないと、いつまでたっても質問が続き他の参加者はシラけちゃいますのでね。実は本当の意味のためにもリピートが大事になってきます。

ARSA法(Spread)の本当の意味合い

Spread(スプレッド)拡げることの意味合いです。これは参加者全員に役立つ形ですね。先ほども言いましたけども、質問した方と答える講師の1対1の関係性じゃなくて、これは他の方にも役立つものですよ、参加者全員の方に役立つ場にする為にも「皆様はいかが方はお考えでしょうか?」みたいな形で広げるのがお勧めです。しかも、だんだんと質問者の方も誘導されます。気づいていただけます。「あーなるほどね広げているんだ」という具合に。と言うことは「ここでは、私個人の質問するわけじゃなくて全員に役立つことを聞くん場所なんだな」っという風に気づいていただけると、その後もクオリティの高い質問をしていただいけるのでそれに対していい答えができ、まさに全員に役立つ場になりますのでね。それがスプレッドの意味合いということになります。

分からない質問にはテンプレートトークで乗り切る

ただ、時々アーサー法を使いたくても、答えられない時というのはあります。正直、いやこれ答えられないなぁみたいなそんな時に、こんな風に回答するといいですよというテンプレート的な鉄板トークです。もうこれ覚えていただいてね使ってみてください。

 「今は、パッとその質問に回答することができません。」
 「調べた上で事務局の方を通して回答させていただきます。」

こんな言い方をすれば、その後トラブルになることはないので覚えてください。もしくは状況によっては、そんなに質問が重要じゃない時には、「では、調べてもし何かわかったら報告しますね。」その後で、ご自身のブログとかtwitter、facebook みたいなところで「先日セミナーでこんな質問を頂きました。」みたいなことで回答すればいいと思います。

こんな台詞こんな言い方を覚えておいていただけるといいのではないかなと思います。

続いて、実はここまでの説明は出てきた質問にどう対処するか?という観点でつまり事後対応の方法を話してきました。ところが、本当に上手な講師は想定した質問を引き出す。すなわち事前対応しています。私なんかは事後対応はほとんど考えてません。出てきた質問をどうさばくか事後対応じゃなくて、どうやってこっちが意図した質問を引きだそうか?という事前対応っていう考え方もありますのでね、参考のために紹介させていただきました。

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