プレゼンテーションでも「5感」が大事だよ、と言う異色の本です。味覚や嗅覚まで出てくるところはアレですが、全体としては面白い発見があって、一読して損はない本かと思います。

というか、例によって、この手の本はチェックリストが命。全体を流し読みした後にチェックリストを熟読して、気になったポイントを再度本文に戻って読むと、とっても参考になるのではないでしょうか。

小林弘茂著、5感を揺さぶり相手を口説くプレゼンテーション

【コンテンツ面でのポイント】
●5感を刺激するプレゼントは
1. 視点が180度異なる
2. 切り口が斬新
3. 解説方法がユニーク
4. テクニックのすべてが実践事例
5. 診断によるレベル評価

●ビジネス資料で赤字を使うと経営者の感情を害する

●5つのタイトルがリズムを作る
相手の視覚にストレスを感じさせないテクニックとは、書式でリズムを作ることです
-ページタイトル
-サブタイトル
-項目タイトル
-図表タイトル
-まとめタイトル

●50%の正対度が、相手に「ほどよい感情」をもたらす
タイトルと重要センテンスを話すときに正対する

●視線は肯定者を中心に全体に流す
一般的には、肯定20%、中間60%、懐疑・否定20%の比率です。この状態で60%の中間派を肯定派に近づけていき、全体の雰囲気を良くしていくことが視線を流すねらいなのです

●重要センテンスは重複すべし
「本書のポイントは、相手の『5感を刺激するプレゼン』です。『5感を刺激するプレゼン』が本書のポイントです」

●「え~」と言わないテクニックとは「黙る」ことです。
「今から話すことが、思い出せない・頭の中で整理できていない」状態になれば、「意図的に”黙った状態”を作って、思い出す・整理する」ことが「え~」を言わないテクニックとなります。

●5感プレゼンのシナリオ
苦み 相手の問題点を指摘する
酸味 問題点の解決策を提示する
うま味 解決策によるメリットをPRする
塩味 メリットの具体事例で味付けする
甘み 相手の興味を高める一押しを行う

●最後に拍手をもらうためには「拍手ができる状況」を作ること
気を付け
締めの言葉
15度の礼

●チェックリスト
-視覚
メイン内容の文字のサイズは 18ポイント以上であり 赤色の文字もない
ページ内は5つのタイトルで表示され全ページで書式が統一されている
写真に過剰説明がなく、動画映写中も過剰コメントがない
資料だけを読んでも理解できる補足説明が記載されている
重要センテンスを説明する時は顔と体は相手側に正対している
手の三大活用(数を数える、大きさ速さを表す、画面や資料を指す)ができている
肯定者中心全体に視線を流せている
相手から指摘される所作の悪癖がない、 または自覚後に改善できている

-聴覚 (プレゼンのためのボイスレミナーはこちら)
1文での緩急と、1ページでの緩急ができており単調に聞こえない
音の強弱と高低が シナリオの展開に対応できている
思考意志と行動意志の両方で意志が明確に聞こえる語尾となっている
重要センテンスの繰り返しが各ページに1回はおこなわれている
沈黙を使って母音語(え~、など)が予防できている
ページ間では必ずページ接続詞を使って前後のつなぎを説明している
5秒以上の沈黙の間を作って、相手をプレゼンターに注視されている
故意に異音を発生させて 相手の集中力や関心を回復させている

-味覚
シナリオ苦み 相手の問題点を指摘している
シナリオ酸味 問題点の解決策を提示できている
シナリオうま味 解決策にある相手のメリットをPRできている
シナリオ 塩味 メリットの具体事例で味付けしている
シナリオ 甘味 相手の興味を高める一押しをおこなっている
冒頭の目次でプレゼンの全体像を理解させている
苦労話や失敗談の実体験を述べて相手に親近感を感じさせている
最後にプレゼン内容に関する質問を2件以上受けている

-嗅覚
不自然な笑顔(愛想笑い 作り笑い)がない
「させていただきます」を言っていない
想定問答集により 相手からの質問に的確かつ統一された回答している
攻撃的な意見に対して 切り返しにより 相手をさばいている
最初に自己紹介と背景経緯を1分間未満でおこなっている
PRする特徴をキャッチフレーズで表現している
特徴は、「評価している人(顧客、上司)」などからの声にもとづいて設定している
特徴は「相手のメリット」で伝達している

-触覚
自然な形でプレゼン資料に追記させて 相手の手を動かせている
質問を投げかけて 相手に挙手させている
プレゼンターは移動して相手の顔の向きを動かしている
最後に相手から拍手または慰労や賛辞の言葉をもらえている
冒頭や中間のブレイクで自分と相手の双方リラックスさせている
前半に相手の問題点の深堀り(=原因)を真摯に行っている
後半に質問を行い、相手に一時的なな緊張感を覚えさせている
相手の懐疑や批判に対してプレゼンター側から率直に先出し言及している

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