Zoomの連携サービスを紹介します。第169回はZoomとPay What You Can Training (ペイ・ホワット・ユー・キャン・トレーニング)との連携です。なお、そもそも「Zoomの連携サービスって何?」という方は、第1回をご覧下さい

「相場」がない研修・セミナー業界

研修やセミナーって不思議なもので、「相場」というものがありません。同じような内容でも、人気講師が担当していると値段が高くなり、人気や知名度がない講師の講座は格安なんてことがあります。しかも面白いのは、人気講師だからといって必ずしも教える技が優れているわけではないこと。たまたま知名度が上がるだけで、価格が高くても集客できるのです。

実はこれには理由があって、セミナーの満足度というのは受講者の頭の中で決まるから。たとえ教える技が拙くても、人気講師の話を聞くとことができれば、「あの人に教えてもらえて満足」となります。一方で、知名度がない人の場合には、「この人、いっていることはもっともらしいけど、信じていいものかどうか…」と納得度がなかなか芽生えません。結果として満足度が低くなってしまうなんてことがあるのです。

このような状況は、研修やセミナー業界だけでなく、「べしゃり」を売り物にする業界でも起こるのかもしれません。たとえばお笑い芸人。ネタが今イチおもしろくない人でも、テレビに出ていて知名度があれば、客席からは「ワー、キャー」と黄色い声援が飛びますからね。

研修・セミナー業界に戻って、このような事情が分かると、ひょっとしたらこんな考え方が生まれるかもしれません。「いまは知名度がなくて価格が安い講師の中にも、教える技は上手な人はいるのではないか」、と。そのような研修・セミナーを集めて販売しよう…というのが、今回紹介するPay What You Can Trainingの背後にあるポリシーかもしれません。

仕事はないけど時間がある人のリスキリング

まずは、英語の説明から。”Pay What You Can”は、「あなたが払える分だけ払って下さい」ということで、日本語で言うと「あるだけばらい」。あるいは、「おひねり」の感覚でしょうか。つまりは、あるだけ払いの研修サービス、となります。ホームページを見てみましょう。

It’s an opportunity for you to gain new skills – at a price you can afford,  even if that means free.

手頃な価格で、あるいは無料で新しいスキルを手に入れるチャンスです

そして、その背景も説明されています。コロナウィルスの影響で仕事を失った人などは、

It’s left a lot of people with time on their hands, so it’s a perfect time to learn new skills.   This initiative makes it affordable by allowing people to pay what they can, if they can, to attend training.

十分な時間があり、新たなスキルを学ぶのに完璧なタイミングです。このイニシアチブによって、あるだけ払い、あるいは払える人だけ払うという研修を実現したいのです。

そして、Pay What You Can Trainingは、目標を掲げています。

Our audacious goal 100,000 learners in 11 weeks

私たちの大胆な目標は、11週間で10万人の学習者を獲得することです

そして、このためには、研修講師と企業に協力を求めています。この観点では、クラウドファンディングできな研修であるとも考えられます。

Zoomならばボランティア講師にもありがたい

では、ZoomとPay What You Can Trainingの連携を見てみましょう。

This application is for PayWhatYouCan.Training instructors. It allows them to save time by scheduling Zoom meeting from right within their instructor admin panel.

このアプリは、Pay What You Can Training講師のためのものです。講師の管理パネルから、簡単にzoomミーティングをスケジュールできるので、時間の節約につながります。

上述の大胆な目標を実現するために、ボランティア的にかかわる講師もいるでしょう。そのような人は、とにかく時間を無駄にしたくない。Zoomならば、移動や出欠確認という手間なく講座を提供できるので、Pay What You Can Trainingのクラウドファンディング的な世界観にはピッタリです。

ScreenClip

前ページ
第168回 ZoomとAcadly連携で高機能Zoomミーティングを読む
次ページ
第回 ZoomとSimpleVLE連携でLMS導入のハードルを下げるを読む
 
  Zoom講習のページに戻る  

お問い合わせ下さい

シンメトリー・ジャパン問合せ窓口

記事には書ききれなかった様々なノウハウをご紹介することができます。ご要望・ご質問をお問い合わせページよりご連絡ください。