「チラシ」を作ることってありますか?

社内・社外問わずに、イベントの告知や新商品の紹介など、紙をばらまいて知らしめたい…。と言う時に参考になるのが、パワポで極める 1枚企画書 PowerPoint 2002,2003対応 (ビジネス極意シリーズ)です。

書名には「企画書」と入っていますが、本書で紹介されているパワーポイントを使ったテクニックの数々は正直なところ企画書作成には向いていません。なぜならば、企画書は何度も何度も書き直しながら内容をブラッシュアップしたり、関係部署との調整を図っていくべきものだから。ところが、本書のようなキレイな企画書をつくってしまうと、この「何度も何度も書き直し」というのが極めて非効率になります。

たとえば、29pに紹介されている「ロジックフロー図」。これはこれで重要なものですが、何度も書き直すという観点では、これはワープロソフトやメモアプリで作るべきものです。なまじパワーポイントでキレイにつくってしまうと思考がそれに固定化されてしまいますね。こんなのを部下から見せられた上司は、「くだらないことに時間使ってないで、もっと本質的なことを考えろよ」と言いたくなってしまいます。

では、本書がまったくのムダかというとそんなことはなくて、それが最初に紹介した「チラシづくり」です。

そう、企画の段階で試行錯誤して練り上がったものを、「どうやって他人に見せて、興味を引きつけるのか」という観点で本書は読むべきであると考えます。もっとも、著者の竹島先生はこのような指摘はとっくにご存じで、37pにある「1枚企画書がカバーするフィールド」で、このような「何度も書き直す」というプロセスの重要性を説明しています。

さて、本題に戻ってパワーポイントでキレイなチラシをつくるコツですが、本書で参考になるのが何と言っても要所要所にはさまれた「作成ポイント」。普通にパワーポイントを使ってしまうとビジネスっぽくて無骨なものになりがちですが、オシャレにまとめる方法論はまさに目からウロコ。たとえば、61pで紹介されている、「角丸四角形の中に写真をはめ込む方法」というのは、パワーポイントに写真を掲載する際に、四隅を丸くトリミングしたような形で見せてくれるというワザで、たしかにできあがりが「柔らかい」感じになります。

あるいは、155pで紹介されている、「重なった図形を白く抜く方法」。パワーポイントの初心者は、ここまで考えないのでできあがりが「のっぺり」とした平面的なものになりがちですが、一手間加えることで、なんとなく「かっこいい感じ」を出すことが分かります。

と言うことで、パワーポイント初心者を脱して、かっこいいチラシづくりが求められる人は、チェックしてみてはいかがでしょうか?

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