セミナー集客のノウハウをまとめた本を紹介するこのコーナー、第1回目は三田紀房先生の「マネーの拳(けん)」。三田先生と言えば受験指南マンガ「ドラゴン桜」があまりにも有名ですが、そのビジネス版とでも言うべきが本書。ちなみにタイトルは、主人公がボクシングの元世界チャンピオンという設定と、主人公の名前が「健(けん)」であるところから来ていると思われます。

中身もドラゴン桜調で、「一見当たり前と思われている常識をひっくりがえす」、「誰もが見過ごしがちな本質をえぐり出す」、「品行方正の陰に隠された思考停止をぶち破る」という観点で深い気づきを与えてくれます。もちろん、「三田節」とでも言いたくなるアツい言葉も健在。

セミナー集客って、ついつい目の前のことに追われがちです。「2週間後のセミナーの席をどう埋めようか?」なんてことで頭が一杯になりがちで。でも、本来的にはその前に「このビジネスの本質は何か?」を考える方が重要なわけで、そこに本書をお薦めする意義があります。

セミナー集客の達人はウソツキ?

たとえば、「商売人の極意」を表したこの言葉で考えてみましょう。

それはまず…嘘つきである…ということだ。

成功する者は、この嘘に対する感度が高い…瞬間的な危険を感知する能力が高く、回避行動も素早い。具体的に言えば…嘘を嘘のままでは終わらせない、それを真実に転化させてしまう。あるいはリセットして泡のように消し去ってしまう。そこには初めから嘘は存在しないのだ。…本物の嘘つきは、嘘をつかない…ということだよ。

品行方正な人からすると、「オイオイ」と突っ込みたくなるかもしれませんが、これはビジネスでの成功の秘訣の一つの側面を的確に表しています。もちろんそれは「ウソをつけ」と言うことではなく、「ウソをウソのままで終わらせない」行動力・企画力が重要であると言うことです。

この考えをセミナー集客に当てはめてみると、これまで考えてもみなかったような集客方法が思いつきそうじゃないですか。もしくは、そもそもセミナーの企画が変わるとか。

セミナー集客のパートナーは好き嫌いで選べ

あるいは、商売のパートナーを選ぶ時のこんな言葉で考えてみましょう。

この人と取引をしよう、商売を始めようと思わせるきっかけはなにか。

それは相手とウマが合うか合わないか…もっといえば好きか嫌いか、それだけだよ。

実際、セミナー集客のノウハウ本やウェブ記事を読むと、共同でセミナーを主催するとか顧客リストを持っている人に集客を頼むとかありますよね。

「へぇ~、そんなうまくいくんだぁ」と思うかもしれませんが、それはパートナーと相性が良いからこそ、と言う仮説が成り立ちます。逆に言うと、それだけウマがあう人と出会わなければ、共同で集客って難しいと思うんですよね。 以下、気づきを与えてくれた言葉を掲載します。巻数も書きましたので、気になるセリフがあった方はぜひ本をチェックしてみてください。

第1巻

●儲かる商売の三原則

  • 設備投資があまりかからない
  • 売上が季節に左右されない
  • 商品のロスが少ない

第2巻

●いずれは年商100億の一大ブランドを築くんだよ。そのためにどういう戦略をたてるか…地道にコツコツとか?光の当たる場所に出て、自分も眩しいライト浴びるんだよ!…マスメディアの注目するプロジェクトの中に乗り込んで、自分もその輪の中に入る。そして利益は薄くてもとにかく商品を展開して知名度を上げる。

第3巻

●楽して儲けるのが本当の商売だ。苦労して設けるなんて誰でもできる。真の経営者というのは、カンとセンスでアイデアがひらめくこと。そのアイデアを具体化して独自のビジネスモデルを作ること。そしていちはやくその分野を独占してしまうこと。

●商売の究極の理想型とは、町のたばこ屋だ。

  • 小さくてもいい…しっかりとした存在感。
  • ずっと売れ続ける定番の商品
  • そこでしか買えない商品

●儲かる法則:消費者…お客さんと販売店がダイレクトにつながっている、ということだ。早い話…作って売る店が商売にとってはもっとも効率が大きい。

●誰も手をつけておらず、最初に始めたものは過度な競争に巻き込まれなくて済む…ということだ。人は一番のものにしか惹かれない。2番目以下には価値を感じないからだよ。

第4巻

●だいたい…知り合いから金を借りて、人の心という利息ほど高いものはねえ。

第5巻

●店ははじっこでも、小さくてもいい。お客さんが「とりあえずあそこ…」と思ってさえくれれば、他がなにを売ろうとどんなことを仕掛けてこようと…。お客さんはまわってまわって…必ずウチに帰ってくる!

●あそこで彼を責めてこっちの条件で商売再開しても、利益はほんの一時のものだ。それよりは困っている相手をまず助ける。恩を売る。それで立場が強くなる。モノが言える。主導権を握れる。そこからだ…あとは長い時間かけて利益をとり続ければいい。商売というのは…心を売って金にかえるってことなんだよ。

●いいかね花岡君…金とは水だ。貯めたら腐敗する。なんの価値もなくなるのだ。…循環するから途中でいろいろな価値を生み、恩恵をもたらすのだ。

●同族会社の留保金課税 https://www.tabisland.ne.jp/explain/zeikin3/zkn3_1_2.htm

第6巻

●ホントに企業にとって必要な人間とは、自分の野心達成のため格闘しているやつだ。そんなやつが多ければ多いほど成長のエネルギーが強いんだよ。

第11巻

●無能な経営者は一見信用できそうな人間を欲しがる。社員も経営者の信用を得ようとする。その結果、経営者の方しか向かなくなる。社長も、忠実で従順な社員たちに満足する。これが会社をダメにする。つまり、一見信用できそうな社員が、会社を腐らせる。そんなヤツらはな…檻の中で飼われて、エサを食ってるだけの犬っコロ野郎なんだよ!シッポ振ってるだけの犬っコロはいらねえ。この会社は…狡猾なオオカミの集団にしてえんだ。

第12巻

●「お前を信じてる…」なんていう言葉ほど信用できないものはない。なぜなら、「信じている」という言葉の裏側では「信じているが責任は取らない」と言っているからだ。「お前を100%信じてる」は、責任を相手に丸投げして事柄からすでに腰が引けている。もし失敗やミスを犯したとき、「信じ切っていた俺には責任がない」と心の中で言い逃れの準備をしているんだ。

●あんた…感情で商売してるんだよ。常に自分の願望を最優先している。商売の成功には道理がある。感情を優先すれば理屈が曲がる。理屈が曲がれば道から外れる。そんな商売は必ず失敗する。

それじゃ、あんたが商売をする目的はなんだ。

人を幸福にするためだ。

●会社がどんどん大きくなっていくたび、自分の手から離れていくようでさびしかった…自分の居場所を失うようでとても怖かった…でも最近やっとわかった。私の力じゃどうしようもないって…。あとはみんながこうしたいって思えば思うだけ大きくなるのよ。そう、バク…みんなのやりたいことどんどん食べて大きくなるのよ。逆に夢を与えないと死んじゃうでしょ。